沼地に住むケモノ

東方神起、SEVENTEEN、SuperJunior。ヲタクが貧しくも逞しく生きていく様子。

私を狂わせた2人の男の話

私は2人の男に人生を狂わされた。

2015年2月、テレビ番組のADとして3年目を迎えようとする冬のある日。出会ってしまった。

東方神起という男に。

訳あって東方神起のライブに行ったら、まんまと落ちた。韓流アイドルにはまるわけないと思っていたのに、チャンミンの歌声とシックスパックの腹筋にスコーンと落ちた。

沼に落ちて数か月後、私は転職を決めていた。

というのも、ご存知の通り(ご存知ではないかもしれないが)ADは「寝れない・食べれない・帰れない」の毎日で、1週間泊まり込み椅子で寝る生活なんて当然だった。24時間働き続ける耐久レースも日常茶飯事で、寝食まともに取れない日もあったり、働かない頭を叩かれることもあった。「ポンコツ。役立たず」と言われ続けた罪悪感から、時々自腹を切って番組づくりに貢献した。高校生の時から抱いていた「テレビで人に夢を与える」を捨てられず、ただ無意識にしがみついていた。最早思考は死んでいたのだ。

しかし私は気づいた。

こんな生活してたら、東方神起に会えない!!!!!

お金も時間もない。東方神起に会うためには、生活を変えなければ。他にもいろいろ理由はあったが、私は約10年近く抱いていたテレビの夢を捨てた。はじめは口惜しくて仕方がなかった。大成するつもりだった。「あの番組、面白いね」と言われたかった。私がテレビで夢をもらったように、私も夢を与えたかった。

けど仕方がない。東方神起によって狂わされた人生。甘んじて受け入れよう。だって幸せなんだもん。時間もお金も作れる。(余談だが、転職した結果、時間も取れて、休みたいときに休めて、行きたいライブには基本全て行けている。転職大正解)めでたしめでたし。

 

で終わらないのがこの物語。

新たな職場へと足を踏み出した私は、そこでもう1人の「私の人生を狂わせる男」と出会ってしまったのだ。

え?東方神起の2人が狂わせたのでは?と思ったあなた。「東方神起」のユノとチャンミンは2人ですが、私の中では2人で1人、つまりはニコイチなので1人というカウントなのです。どうでもいいか。

自由な社風の中で彼は抜群に自由だった。何故なら赤色の髪をしていたからだ。ここでは仮名で「アカくん」と呼ぼう。

アカくんはチャラい見た目に反して、めちゃめちゃ仕事ができた。社会人歴で言うと彼のほうが短いのだが、こんなに幅広く、段取り良く、確実に仕事をする人を見たことがない。(前社のレベルの低さ云々は置いといて)頭の回転の速さと抜群の記憶力、そして密かに誰よりも努力するその姿は、周りの人間から評価されていた。ただ、中身はまだまだお子ちゃまで、隠れコミュ障で、人の意見を聞けない頑固者で、心を開いた人には甘えん坊さんだった。当初思ったものだ、「二次元かて(髪色も含めて)」と。まあ簡単な話、落ちた。じわじわ〜っときたあと、スコーンと落ちた。狂おしい程に落ちた。

仕事の仕方に関しては素直に尊敬した。それ以外のところはさて置いて。初めて私は「ロールモデル」というものを得たのだ。「なるほど、この人を真似たら仕事できるようになるか?」と。とりあえず観察して、真似てみた。持たなくてはいけない知識、仕事のスピード感、メールのやり取り。「良い」と思ったところは取り入れた。

ポンコツ」なんて言われなくなった。褒められるようになった。いろいろあって容姿にも気を遣うようになった。自信がついた。もっといろんなことやってみたくなった。やっと自分の頭で考えて動けるようになった。

アカくんと、肩を並べられるようになりたい。

消えていた野心に火が付いた。

まだまだ成長を続けているアカくんに追いつけるか?追いつけなくとも、私のやり方での上ってやる。いつまでも模倣だけじゃ伸びないこと、わかっているから。これは私のために。彼のために。

アカくんは厳しくて、甘い私にいろいろ強く言うこともあるけど、負けてたまるか。折れてたまるか。逃げてたまるか。私もぶつかっていく。全部受け入れてみせる。それが私の、愛だ。

 

私の人生は2人の男によって狂わされた。おそらくこれからも、面白く狂っていくのだろう。